ヴァイオリニストアニキのつぶやき

大阪のヴァイオリン弾き木村の日常と出来事を綴っております

ボーイング

今日は、なんとドミンゴさんの伴奏のお仕事。

リハーサルでした。

それは本番が終わってからまたゆっくりと書くとして。

リハーサルでよだれ🤤顔でうっとりしてたのは

言うまい🤣

 

その話ではなく。。。

 

なんか自慢話みたいになるんですが

決して自慢するつもりはなく

まあ、でも嬉しいなって話になるんですが

 

私は昔から自分の弓のテクニックが不満で

すごくコンプレックスがあったのですが

いや、今でも自分のbow technique が不満で

常にどこが悪いか考えて

いつも試行錯誤しておるのですよ。

 

それなのに、それとは裏腹に

いつの頃からか

いろんな人から私の弓使いが素晴らしいと

言われるようになり(自慢ではないのですよお😅)

ボーイングのことなら彼女に習えと言われたりして

自分では本当に訳がわからず

他の人のボーイングの方が

よっぽど綺麗なのに、なんで??

と、真面目に悩んでいたのですよ。

 

自分でビデオ見ても

肘の使い方も悪いし

これのどこがいいんだ?と真剣に思うのですよ。

 

そしたら、今日、ドミンゴさんと共演される

ソプラノ歌手について来られた

ご自身も声楽家だと言う方が

あなたの弓使いはまるでアートのようだ

見ていて鳥肌がたったっておっしゃいまして

私は『マジで』びっくり仰天‼️

 

ど、ど、どこがですか???

 

彼が言うには弓道の弓を放つ前のように

ピタっと楽器に吸い付いて、そして離れていくようで

まるで弧を描くようにあなたは弾くとおっしゃったんです。

 

実はトロント交響楽団のオーディションの前

オケスタなどを一度聴いていただいて

その教え方と弓使いの教え方に惚れてしまい

何回も弓使いのレッスンに通った先生のことを

思い出したんです。

もう亡くなっちゃったんですが。

大好きな先生でした。

 

彼はオスカー シュムスキーの弟子で

彼の弓のテクニックは

全てオスカーから伝授されたものだとおっしゃってました。

 

先生が教えてくださった

沢山のbow techniques の一つに

弓には形がある。

その形に沿って弾かなければならない。

と言うのがありました。

弓というのは、弓道の弓と反対で

真ん中が反っています。

その形に合わせて弾くのだと。

 

そうすると力をかけずに

音がサステインするのだと。

言葉で言うのは難しいのですが。

 

私はひたすら重力とお友達になって弾く

それだけを心がけてますが

多分、この先生に教わった

弓の形に沿って弾く

と言うのが、彼の言う弧を描くような弾き方なんだと思います。

 

そんな風に観察されてたのかと思うと

この人たちはただものじゃねえな

と思ったことと😅

自分がものすごくコンプレックスを持ってる

弓使いで褒められるのは

嬉しいような、なんか申し訳ないような😅

 

多分彼が言いたいのは

私がいつも弓で(体で)表現しようとしている

フレーズの長さなのかなあと思ったり。

なににせよ、それが人に伝わることは

すごく嬉しいことでした。

 

トロントの先生には

スピッカートの種類やら

その弾き分け方や練習の仕方

ピアニッシモの時の弓の返し方

そりゃあ細かくいろんなことを教わりました。

 

が。。。

 

全然できてません😅😅😅

 

今でも毎日毎日

弓の使い方に悩んでます。

持ち方も悩んでますし

音色の変え方から何から何まで

毎日毎日めっちゃ悩んでます🤣🤣🤣

 

でも、ま、悩まなくなったら

そこで終わりだなと思うので。

今日の褒め言葉はありがたく頂戴して

見た目だけ『は』美しい弓使いを

本当の美しい弓使いにできるよう 

今後も精進してゆきますわ🤣

 

しかしあの観察眼に私は驚いた😅